京言葉あれこれ

京言葉あれこれ

京言葉あれこれ 京都は1000年以上続いた日本の都であり、そこで使われる言葉を「方言」という捉え方はせず、「京都弁」という呼び方は好まれません。「京言葉」と呼んでおくれやす。 PR

チェック<主な京言葉の意味と使い方>

主な京言葉の意味と使い方

○あ行

あいさ:間 時々 たまに 「仕事のあいさにでもまた連絡しますわ」 あいのひ:空いている日 予定の無い日 「あいの日があったらその時にでも会いましょか」 あがる:北へ行くこと 「四条上ったとこに美味しいお店があるわ」 あかん(あかへん、あきまへん、あかしまへん):だめ いけない 役に立たない 「そんなんしたらあかん。絶対あきまへんで」 あじない:美味しくない まずい 「このうどん味ないわ」 あて:わたし 「それあての本ですわ」 あてもん:くじ 懸賞 「夜店であてもんでも引こか」 あない(あないに):あんなに あんな風に 「あない酷いこと言わんでも」 あほらし(あほくさ):ばかばかしい くだらない 「つまらんことに付き合わされてあほらしなって来た」 あらへん:ない 「身も蓋もあらへん」 あんさん:あなた 「あんさん何してますのん」 あんじょう:上手く 上手に 上手い具合に 「一人であんじょうやりや」 いーひん:いない 「誰もいーひん」 いけず:意地悪 意地の悪い人 「いけずばっかりせんと仲ようしいや」 いちびる:ふざける 調子に乗る 「いちびってんと早よ勉強しい」 ~いで:~しないで ~しなくて 「そんなん知らいでも生きて行けるわ」 いてる:居る 「いま家にいてるけど」 ~いな:~だよ ~してよ 「忙しいてどこがいな。ええからさっさとこっち来(き)いな」 いぬ:帰る 「そろそろいぬわ」 いらう:触る いじる 「そんな汚いもんいらいなや」 いらち:落ち着きのない人 気の短い人 「あんさんホンマにいらちやな」 いらんこと:要らないこと 「すぐいらんこと言う」 いわす:言わせる 音を出す やっつける 「ガタガタ言わさな片づけられへんのかいな」 「ゴチャゴチャ言うとったらいわすど」 うち:わたし 家 「今日うちら買物に来てんけど、一緒にうち来る?」 うっとこ:わたしの家 わたしの所 「うっとこ今日すき焼きやて」 うつる:似合う 「その着物よう映ってはるわ」 ~え:~よ ~か 「美味しいわらび餅どすえ」 「どなたはんどすえ?」 ええ:良い 「ええ天気で気分よろしいな」 えげつない:酷い 悪どい ずうずうしい 「その言い方はえげつないですわ」 えらい(えろう):大変 辛い 非常に 「えろう遅くなってしもたけど、早よ歩くのもえらいわ」 えんばんと:運悪く あいにく 「せっかくですが、えんばんと父は出掛けてしもて」 おいでやす(おこしやす):いらっしゃいませ 「おいでやす、今日はどちらから?」 「おこしやす、お待ちしておりました」 おいど:お尻 「頭隠してもおいどが見えてますわ」 おいない:おいでなさい 来なさい 「いっぺんうっとこおいないな」 おおきに:ありがとう 「手伝ってくれておおきに」 おかいさん:粥 「おかいさん作ったろか」 おかえりやす:お帰りなさい 「早よお帰りやす」 おきばりやす:頑張ってください 「お仕事おきばりやす」 おくない:ちょうだい ~してちょうだい 「草もち6個おくない」 おくれやす:ください ~してください 「ちょっと待ってておくれやす」 ~おし:~しなさい 「服装をちゃんとしおし」 おす:あります ~です 「それと同じのやったらここにおすけど、違うのでもよろしゅおすえ」 おはようおかえり:いってらっしゃい 「気をつけてお早うお帰り」 おぶ:お湯 お茶 「このおぶ熱おすなあ」 おへん:ない ありません 「ちっとも面白いことおへんな」 おます:あります ございます 「少しだけならおます」 おまっとうはん:お待ちどうさま 「えらいおまっとうはんどしたな」

○か行

かいらしい:可愛い 可愛らしい 「かいらしい子やね」 かかり:はじめ 「七月のかかりから祇園祭りどすえ」 ~かて:~も ~だからって ~だけど 「そんなん言うたかてしゃーない」 ~がな:~じゃないの ~だってば 「だからアカン言うてるがな」 かなん:かなわん かなわない 「そんな無茶なこと言われてもかなんわ」 かます:くらわせる 「一発かましたろか」 かぁにかまれる:蚊に刺される 「竹やぶ行ったら蚊ぁに噛まれた」 かまへん(かましまへん):構わない 「そんなんかましまへんので気にせんといてください」 かやす:返す 「貸したもんは早よかやして」 ~からに:~しておいて ~のくせに 「偉そうにしてからに、ぺーぺーのくせに」 かんにん:ごめん 勘弁 「悪気はないねん堪忍したってんか」 きいつけて:気をつけて 「車多いし気いつけて」 きくな;春菊 「鍋に菊菜入れたら美味しおすえ」 きす:着せる 「お人形さんに服着したげて」 きずつない:申し訳ない 心苦しい 「えらい気いつこうてもろて、きずつないことです」 きばる:がんばる 「明日試験ですか、お気張りやす」 きやはる:来られる 「もうすぐお客さんが来やはるえ」 ぎょうさん:たくさん いっぱい 「特売日やから仰山の人やったわ」 きょうび:最近 近頃 「きょうびの若もんは何考えてるか判りまへんな」 ぐじ:甘鯛 「このぐじ美味しいわ」 ~ぐち:~ごと ~のまま 「りんご皮ぐち食べたった」 ぐつわるい:都合が悪い 具合が悪い 「バレたらぐつ悪いことになるえ」 けったい:おかしな 変な 「なんやけったいなお人どすな」 げんくそ(げんくそわるい):縁起が悪い 縁起でもない 「正月早々寝込むとかげんくそ悪いわ」 こうと:地味 上品で質素なこと 「こうとな色の着物ですな」 こそばい:くすぐったい 「褒められるとこそばなって来る」 ごっつお(ごっつおはん):ごちそう ごちそうさま 「えらいごっつお、ごっつおはんどした」 こら:これは 「こら中々ええ品ですわ」

○さ行

さいなら:さようなら 「ほな、さいなら」 さいぜん:さっき いましがた 「その人やったらさいぜん来ましたえ」 ~さかい:ので ~だから 「そやさかい言うたやろ」 さがる:南へ行くこと 「四条通りを下がったところにある」 さぶいぼ:鳥肌 「怖い映画見たらさぶいぼ出たわ」 さよか:さうか そうですか 「さよか、それは良かった」 さらえる:残さず取りのぞくこと 「鍋に残ってるもんさらえてしもて」 ~し:~ので ~だから 「雨やし行くのやめとこか」 ~しい:~する人 「ええかっこしいやな」 ~しいや:~しなさい 「早よしいや」 ~しな:ついで 途中で 「行きしな買うて来てん」 しんどい:疲れた 辛い 「寝不足でしんどいわ」 しんきくさい:じれったい 気がめいる 「あんたのしんきくさい顔見てたら、こっちまで参るわ」 すかたん:見当はずれ とんちんかんなこと 「バイトの子、すかたんばっかりで話にならんわ」 すこい:ずるい 「あんさん、すこいことしはりますな」 すんまへん:すみません ごめんください 「いつも気いつこうてもろてすんまへん」 せきもん:急な仕事 急ぎのもの 「せきもんですけどよろしゅう頼んます」 せわしない:忙しい 落ち着きがない 「忙しないからじっとしとき」 せんど:勝負どころ さんざん たびたび 「ここからがせんどやてせんど言うてるやろ」 そうろと:そっと ゆっくり 「道凍ってるさかい、そうろと歩かな危ないで」 そや:そうだ 「そらそうやな」 そやかて:そうだとしても 「そやかて悪いのはあんさんの方でっしゃろ」 そやさかいに:だから そうだから 「そやさかいに、やめとけ言いましたやろ」

○た行

たいたん:炊いたもの 煮物 「おいもさんの炊いたん」 たんと:たくさん 多く 「仰山あるし、たんとお上がり」 たまで:まるっきり ぜんぜん 「あの人最近はたまで見掛けへんな」 たんねる:尋ねる 「誰かたんねて来たで」 ちゃう:違う 「それはちゃうちゃうとちゃうんちゃいますか」 ~ちゅう:~という 「なんちゅうこっちゃ」 ちょぼちょぼ:同じ程度 どっちもどっち 「あんさんとこもうっとこも、お客さんの数はちょぼちょぼどすな」 ちりし:ちり紙 ちんまり:ちいさい こぢんまり 「ちんまりとした落ち着く店やわ」 つねぎ:普段着 「つねぎばっかり着てんと、たまにはよそいき着たらどない」 でける:できる 「ぐずぐずしてたら、でけるもんもでけへんで」 てれこ:さかさま あべこべ 「箱がてれこに積んであるわ」 ~てんか:~てよ ~くれ 「ええ加減にしてんか」 でんぼ:こぶ 腫物 「頭にでんぼできてしもて痛おすわ」 ~といやす(~といやしたら):~されたら ~してこられたら 「いっぺん弁護士さんにでも相談に行っといやしたらどうどす」 どうえ:どうですか 「ごはんのお代わりどうえ?」 ~とくれやす:~してください 「また来とくれやす」 ~どす:~です 「へぇ、そうどすか」 ~どっしゃろ:~でしょう 「三千院の紅葉はほんまに綺麗どっしゃろ」

○な行

なおす:片づける 「出したもんはもとの所にちゃんと直しなさい」 ~なはい(~なはれ):~なさい ~しなさい 「待ってるさかいに早よしなはれ」 なり:容姿 「そんな汚いなりして近所歩かんといて」 なんぼ:いくら 「なんぼ言うてもあきまへん」 におぐ:匂う 臭いをかぐ 「ちょっとこれにおいでみ」 にじくる:なすりつける 「泥の付いた手でにじくらんといて」 にぬき:ゆで卵 「このにぬき、殻むきにくい」 ~にゃ:~よ ~だ 「そんなんしたらアカンにゃで」 ぬくい:あたたかい 「ぬくぬくのお饅頭食べや」 ねき:傍 傍ら 近所 「タンスのねきに置いといて」 ねちこい:粘り強い しつこい 「ねちこい性格やって言われへんか?」 ねぶる:なめる 「飴さん噛まんとねぶってなさい」 のうなる:なくなる 「大事にしてたのに、のうなってしもた」 のく;どく 退く 「邪魔やからちょっとのいて」 ~のん:~のね ~のもの ~こと 「その車うちのんえ。これから伏見まで行くのんえ」

○は行

はしこい:素早い 「怒ったろ思たらもういやへん。はしこい子ぉやわ」 はしり:流し台 「洗うもんはしりに持って来てや」 はばかり:トイレ 「すんまへん、はばかりどこですか?」 ~はる(~はった):~される ~された 「清水はん行ってきはったんやて?今度はどこ行かはるのん?」 ~はん:~さん ~様 「誰がおばはんやの、おねえさんと呼びなさい」 はんなり:上品で華やかな様子 色や景色が明るいさま 「はんなりしたええべべ着たはりますわ」 ひがしいる:東西の通りを東へ行く 交差点を東に折れたところ 「東入ルとか西入ルとか、知らん人はややこしおすな」 ひち:しち なな 「いち、にい、さん、しぃ、ごぉ、ろく、ひち、はち、くぅ」 ひっつく:くっつく よりそう 「磁石に釘がひっついた」 ひらう:拾う 「タクシー拾うて帰るわ」 ~ひん:~ない 「もうしいひんから堪忍え」 へえ:はい はぁ 「へえ、そうどすけど」 べべ:服 着物 「ええべべ着せてもろて」 べべ(べべた):びり 最下位 「運動会のリレーでべべになってもうた」 ~へん:~ない 「今忙しいから行かれへん」 ほかす:捨てる 「ゴミほかしといて」 ほたえる:たわむれる 暴れる 騒ぐ 「そんなとこでほたえたら人様の邪魔になるえ」 ほな:それでは 「ほなさいなら」 ほんで:それで 「ほんでこれからどないします」 ほんなら:それなら 「ほんならぼちぼち帰りますか」

○ま行

まどす:償う 弁償する 「壊したらちゃんとまどしてや」 むつかしい:むずかしい 「またむつかしいこと言わはりますな」 めいぼ:ものもらい 「めいぼでけてかなんわ」 もうた:貰った 「おばあちゃんからええのんもうた」 ~もうた(~しもうた):~してしまった 「お菓子いっぺんに食べてもうた」 もっさり:野暮ったい 垢抜けないさま 「あんさんもっさりしてますな」 ~もって:~しながら 「アイスクリーム歩きもって食べよか」

○や行

や:~なさいよ ~ね 「遅なるで、早よ起きや」 ~や:~だ 「なにしますのや」 ~やす:~なさい 「ごめんやす、どなたかおいやすか」 ~やない(~やあらへん):~ではない 「うちらのバスはそれやおへん」 ややこしい:複雑 わずらわしい 「そんなややこしいこと言われても判りまへんわ」 ~やんか:~じゃない 「なかなか歌上手いやんか」 ようけ(ようさん):たくさん ぎょうさん 「お腹空いてるからようさん食べるえ」 ~よって(~よってに):~から ~だから 「そやよってに堪忍言うてるやんか」 よばれる:ごちそうになる 「晩ごはんよばれて来た」 よる:おる 「つまらんことしよるな」

○ら行、わ行、ん

ろおじ:路地 「そこのろおじ入って行きはったらよろしいわ」 わて:わたし 「わてこう見えてもけっこう歳いってますねん」 わや(わやくちゃ):滅茶苦茶 台無し 「大事な話があったのにわやになってもうた」 ん:の 「へぇ、そんなんするんや」 ~んと:~せずに 「ごろごろしてんと手伝ってや」 ~んとく:~ないでおく 「悪口あんまり言わんとくわ」 残念ながら京都でも、今では年配の方しか純粋な京言葉を使わないかもしれません。 最近では人々の交流やテレビなどの影響で他府県の言葉も入り混じって、京言葉というよりみんなが同じような言葉を使う「関西弁」になってしまっているようです。 できることなら、美しい京言葉をこの先も残して欲しいものですね。
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